保険相談3
3.取引信用保険の事例研究3
免責事例
【事例1】積出した商品の品質等にIバイヤー(「包括定義により絞り込んだ与信取引」参照)との間でトラブルが発生し、セラー有責になった案件(TT120)
上図のTT120(年間2.4千万円)では、直ちに「支払遅延通知書」を提出して下さい。特に、商品クレームの場合は、該当商品を戻してもらい、積出す前より欠陥であったかどうか、検査します。
売買契約条項ではクレームに関する解決方法等をルール化して下さい。
【事例2】Jバイヤー(「包括定義により絞り込んだ与信取引」参照)に対して「支払遅延通知書」の提出後に積出し請求した案件(TT150)
上図のTT150(年間6千万円)では、「支払遅延通知書」を提出していたが、与信取引を継続し、逐次的に商品を積出すのは、アフターロスに該当し、それは差し控えて下さい。
支払遅延通知後に、オウンリスクのもとで与信取引を続ける場合は、
過去の儲け分等の範囲内でとどめて下さい。
期末対応
【事例1】保険期間の期末に請求書を発行し、積出し等を手配しようとしていたが、その期末を超えてしまった案件
保険契約は更新するようにして下さい。
保険金請求
【事例1】損害額は待機期間満了時に総請求額から総回収額を差し引いてとらえた正味債権額ですが、所定のクレジットリミットを上限とすることになった案件
●待機期間満了日 総請求額-総回収額=正味債権額
待機期間満了日現在の正味債権額をとらえた後、所定のクレジットリミットと比較して下さい。
【事例2】Gバイヤー(「包括定義により絞り込んだ与信取引」参照)は支払遅延通知期限(セラーの回収努力)+待機期間(コファスジャパン信用保険会社の全面的回収介入)でも不払い状態。そこで、売掛債権を証する確認資料を添付して保険請求し、クレジットリミットを基準にして保険金が支払われた案件
バイヤー単位で売掛債権が発生等した都度、それを所定のクレジットリミットに消し込みし、
残枠を点検して下さい。
【事例3】保険金予定額は算定されたが、保険金支払限度額を上限とすることになった案件
(注)保険金支払限度額=予想保険料×30倍
すなわち、保険金支払限度額の底上げは、最低保険料(予想保険料×80%)の水準がどの程度であるかで決まることがあります。そして、トップ1バイヤーにおけるクレジットリミットも考慮されますから、それは複数のバイヤーに係る支払い保険金の後ろ盾になるといえます。
保険金予定額をとらえた後、所定の保険金支払限度額と比較して下さい。
【事例4】Eバイヤー(「包括定義により絞り込んだ与信取引」参照)が倒産状態に陥った情報を入手。そこで、その事実をコファスジャパン信用保険会社に報告等した後、その倒産状態を証する確認資料等を添付し保険請求したところ、30日以内に保険金支払限度額を上限にして支払われた案件
セラー単位で保険金が支払等された都度、それを所定の保険金支払限度額に消し込み、
残枠を点検して下さい。